フレームレス原子吸光分析におけるタンタルカーバイド処理炭素管の特性
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概要
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溶液浸せき法によりタンタルカーバイド処理を施した炭素管について,その原子吸光特性を検討した.処理管の昇温こう配は未処理管とほとんど変わらず,発熱の主体が黒鉛にあることを示している.数種の元素について増感現象がみられたが,耐熱性酸化物を生成しやすいチタソなどでは波路が生じた.タンタルカーバイド処理を施すことによって管の寿命は2倍近く延び,使用当初から,亀裂を生じて測定不能に至るまで安定で精度の高いシグナルが得られた.処理管の表面を電子プローブマイクロアナライザー(EPMA),走査電子顕微鏡で調べた結果,タンタルカーバイドは炭素管を被覆する形で存在しているのではなく,黒鉛の微細孔を充てんするようにかなり深くまで浸透していることが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1981-02-05
著者
-
不破 敬一郎
東京大学理学部化学教室
-
高橋 純一
横河アナリティカルシステムズ株式会社
-
吉田 一男
岡山大学理学部化学教室
-
不破 敬一郎
東京大学
-
不破 敬一郎
東京大学理学部化学科
-
高橋 純一
東京大学理学部化学教室
-
平林 延雄
(株)第二精工舎科学機器部
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