グロー放電発光分析法と誘導結合プラズマ発光分析法におけるランタノイド元素の分光特性の比較

概要

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グリムグロー放電プラズマ励起源における, ランタノイド系列全元素の分析線の選択及び相互の分光干渉について測定を行った. 更にその分光特性について, ICP発光分光法の結果と比較することにより検討した. ICP発光分光法の場合には, 一価イオンの共鳴線(励起エネルギー:3〜4eV)の発光強度が著しく大きいが中性原子線の強度は小さいのに対して, グロー放電発光分析法では, 中性原子, 一価イオンの共鳴線強度はともに高く, しかも励起エネルギーが2.5eV程度の原子発光線の強度が著しく大きくなるのが特徴である. これらの現象は, グロー放電プラズマにおける励起・電離機構が熱非平衡プロセスに支配されていることに起因するものと考えることができる. グロー放電発光分析においては, 一価イオン線に加えて中性原子の共鳴線も分析線として使用することが可能である. 主要な発光線について定量下限を算出した. 対応する波長位置におけるバックグラウンドの全変動の3倍に相当する元素濃度と定義すると, EuI 459.402nmでは2.4×10^<-4>at.%, Yb II 328.937nmでは1.6×10^<-4>at.%, Dy I 421.170nmでは6.1×10^<-4>at.%であった.
社団法人日本分析化学会の論文
1999-03-05