カラーイメージ織シミュレーションの効率化
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概要
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織物上における高精度の色彩表現を目指す研究の過程で, フルカラー原画像を織物として作成することを試みた結果, 博多織では十分優れた品資のカラーイメージ織物の作成に成功している。しかし, 織物上の色彩表現がどの程度定量的, 客観的に評価されるかについては, 今日まで評価の尺度が確立されていない。また, 織り上げる前段階でのコンピュータのディスプレイ上に織り上りを, シミュレーション表現する際にも, いくつかの問題を抱えている。ディスプレイ上と織物上の色の色差の問題, また, シミュレーション画像を表示するまでに演算量が多いために, シミュレーション画像表示までの時間が, 数十分から数時間を要する場合があり, カラーイメージ織を作成する上での実際の運用効率が大きな問題となっていた。今回, このいくつかの問題の解決に取り組み, さらにこの織り上りシミュレーションシステムのGUI (Graphical User Interface)の改善を図り, 成果を挙げている。まず, 博多織カラーイメージ織の作成の簡単な流れ図を図1に示す。織物上の色彩表現の精度チェックのために, 複雑なフルカラー原画を織り上げて検討してきた。織色組織見本帖を伝統工芸士の熟練技術によってあらかじめ作成しておき, この色彩構報を測色計によって, 定量化し, デジタルな色情報とする。原画をスキャナーやデジタルカメラ, Photo-CD等によってデジタルデータとして準備し, これを織色組織の色情報と照合し, 色差の最小となる織色組織を選択して, 織り上りの変換画像を生成してシミュレーションを実行する。これにより, 実際に織物を織り上げる前に, カラーイメージ織の品質評価が可能となった。
- 1997-09-24
著者
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