避難シミュレーションのための船舶設計データの直接的利用手法について

概要

論文の詳細を見る
船舶技術研究所では, 船舶の確率論的安全評価システム(以下, 船舶PSAシステムと呼ぶ)の開発を実施している。船舶PSAシステムは, 評価指標を人命損失リスクとし, 種々の形態の事故の際に失われる人命の数と確率を求めるものである。被災船舶では, 衝突, 座礁, 火災等の事故の後, 浸水, 沈没, あるいは火災進展, 居住区焼失等の災害が生起されるが, 多くの場合, 被災船舶から人間が避難脱出できる時間が存在する。したがって, 人命損失を求めるには, 災害進展過程および災害下での避難脱出過程のシミュレーションが必要である。船舶の安全は設計に依存するため, それらシミュレーションプログラムでは設計情報を直接使用できることが重要てある。また, このことが可能であれば, 安全評価の専門家でなくとも船舶PSAシステムが使用でき, 設計者あるいは船舶の審査官等にとり便利である。このことのために, 開発中の船舶PSAシステムは, 入力として船舶のCADあるいは図面の形で作成された設計情報を想定している。本報告では, 船舶PSAシステムにおける船舶の設計情報の入力部分, および, 避難シミュレーションプログラムにおける船舶の設計データの直接的な利用法について概説する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

避難シミュレーションのための船舶設計データの直接的利用手法について

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク