超並列コンピュータ上のFortranにおける疎行列の扱いに関する提案

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科学計算においては、大規摸な疎行列を扱う場合が多い。疎行列をFortran言語で扱う場合は、記憶領域および計算量の削減を行なうために、1次元の配列やその他の特殊な構造に詰め込んで格納する。しかしながら、このような方法をFortranレベルで記述した場合、データ購造が複雑化し配列の間接参照が増加するなどプログラムが複雑化する。そのため、コンパイラがその処理を把握する事が困難になり、コンパイラの最適化を阻害する。とくに、並列コンピュータにおいては配列のデータの配置やプロセッサ間通信のための解析をする際に大きな問題となる。そこで、HPE(HighPerformance Fortran)の拡張としてデータ分割の宣言の際に、疎行列であることの宣言をし、プログラムの本体においては密行列と同様な記述を行なう方式(コンパイラ・パッキング方式と呼ぶことにする)を提案する。コンパイラは、疎行列であるという情報と、データ依存解析などによる情報を利用して各アーキテクチャに最適なデータ保持法を選択し、最適な実行コードを出すことができる。以下では、まず、疎行列を詰め込んで記述する従来の方法の利点と欠点をのべて本方式の提案の理由について説明する。次に、本方式の記述法について述べた後、実際の例を示す。最後に人手によってCに変換しAP1000において実行した結果を示し、本方式の有効性を示す。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

超並列コンピュータ上のFortranにおける疎行列の扱いに関する提案

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