文書の種類を考慮した機械翻訳システムの構成
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概要
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従来、機械翻訳(MT)の用途は主にマニュアル翻訳に限定されており、実務翻訳であっても、文体・文法・構造の面で大きく異なる他の種類の文書には対応が不十分であった。MTは自動車、コンピューターといったマニュアル内における専門分野ごとの特殊な用語に各専門用語辞嘗を提供することで、訳語の競一という長所を活かしてきた。近年翻訳需要が高まってきているマニュアル以外の客観的文書(特許明細書、広報文書、放送文、新聞記事など)にも、を利用するには、専門分野の指定の他に、文書の種類という視点を別次元で設ける必要がある。今回我々は、この新たな視点を導入するにあたり、日英機械翻訳システムの従来の枠組をベースに、これまでに我々が開発したツールを活用しながら、目的言語の文書の種類(以降、ジャンルと呼ぶ)に応じた翻訳文を出力するには何が必要か、事前の比較言語的な検討を行った。本稿では、報道文と手紙文の2つのジャンルを例に、これらの間の日本語と英語の一般的な文書形態を分析し、班の拡張に必要な開発項目を具体的な言語現象を交えて示し、ジャンルに適した訳文を出力できる方法を提案する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-09-20
著者
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熊野 明
(株)東芝総合研究所
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中村 真理子
(株)東芝研究開発センター
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熊野 明
(株)東芝研究開発センター
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島津 美和子
(株)東芝研究開発センター
-
吉村 裕美子
(株)東芝研究開発センター
-
吉村 裕美子
(株)東芝研究・開発センター
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