オブジェクト指向型言語CESPによる算数問題文の理解と推論の試み

概要

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どのように知識を表現するかということは自然言語処理における重要な課題の1つである。しかし、日本語を対象として自然言語における知識表現は、欧米語と異なった特徴のため因難な状況に置かれている。われわれは、比較的簡単な文で構成されている小学生低学年の算数における日本語の文章題の文を対象に、Prologによる日本語文の意味表現と理解の試みを行ってきた。さらに、最近AI言語研究所から提供を受けインストールしたCESPにシステムを移植し、システムの拡充を図っている。英語では、構文上の役割を表す格が一般には語の位置によって示され、構文上語順が大きな役割を果たすが、日本語では語順は比較的自由である。これは格が助詞によって表現されるためであるが、このような特徴は膠着性といわれる。実質的な意味を表す部分(名詞など)に文法的な関係を表す部分(助詞など)が付属して文の構成成分である文節を構成し、文中における文節と文節の結びつきは緩く、文節の順序(語順)が比較的自由となる。文の中心は文末に位置する述語文節であり、文頭から述べられてきた文の内容を掛かりとし、その結びとして文全体の文意を最終的に受け止める。本報告では、このような日本語の特徴を利用して、小学校一年生程度の算数文章題の日本語文の解析と意味理解の試みを紹介する。
社団法人情報処理学会の論文
1993-03-01

オブジェクト指向型言語CESPによる算数問題文の理解と推論の試み

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