GAにおける命題論理式の遺伝子表現

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遺伝的アルゴリズム(GA)は、生物の遺伝的な進化機構をモデル化した確率的なアルゴリズムであり、学習・最適化などの一手法として様々な方面の分野において研究、応用されている。近年では、行動戦略や判別ルールなどの知識獲得の研究も盛んに行ねれている。このようにGAは、非常に汎用性に富んだ応用範囲の広い手法であるが、その反面、GAを設計する際には各々の問題に固有な特徴、性質といったものを考える必要がある。特に、GAを知識獲得に応用する際には、知識をどのように表現し、それをどう遺伝子としてコーディングするかが重要な検討課題と言える。本研究では、GAによる知識獲得の応用として論理関数の式表現を獲得する試みを行った。論理関数とは、基本的なブール演算である和、積、補元の組合せで表される関数であり、ブール関数と呼ぶこともある。論理関数は関数値として0あるいは1をとり、真理値表によって表すことができる。また逆に真理値表から論理関数の式表現を導くことができる。これをGAによって行なおうというのが本研究の目的である。論理関数の式表現は、別の見方をすれば、入力(変数値の組)に対して0であるか1であるかの判別を行なう規則であり、論理関数の式獲得は判別ルールの学習と考えることもできる。このような判別ルールの学習の対象として、我々は血圧波形から動脈硬化の有無を判別するという問題を検討している。これは、動脈硬化を起こしている人の血圧波形には何らかの特徴が見られ、そこから判別ルールを見つけられるのではないかというものである。本研究では、このような問題に対するGAの基本的な考え方を検討する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-03-15

GAにおける命題論理式の遺伝子表現

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