モノクロCCDカメラを取り付けた、HMDのシースルーについて

概要

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VR(Virtual Reality:仮想現実感)においては、仮想世界を提示するHMD(Head Mounted Display:頭部搭載型ディスプレイ)は欠かせない装置の一つである。しかし、このHMDは人体に以下のような影響を及ぼすことが報告されている。(1)右目と左目の像に異なる歪みがあると、疲労の原因になる。(2)目から入ってくる動きの情報と、筋肉や平衡感覚から得られる動きの情報との間で競合が起こると、不快感を誘発する一因となる。これらは本人の視覚系から何の情報も得ずに、仮想世界を構築しているCGを描かいているために起こるのではないかと考えられる。以下に示す考えから、このような問題点を解消する方法を見出すため基礎実験を行った。HMDの前面にカメラを2台取り付け、その映像をコンピュータに取り込み、その画像を処理して、実空間における空間座標及び物体の移動量をリアルタイムで得る。そして、そのデータをもとに、仮想世界を表現するためのCGを描けば、その仮想世界での仮想物体の移動は、違和感のないものになると考えられる。その結果、上記(1)、(2)の人体への影響の軽減が期待される。また、カメラの画像から物体の移動量及び形状の情報が得られるため、目の前で行う作業に関しては、データグローブ、位置検出センサの必要もなくなると考えられる。今回は、モノクロCCDカメラを2台取り付けたHMDからのシースルー映像と、肉眼で見た映像との、奥行き誤差を比較したので報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-03-15

モノクロCCDカメラを取り付けた、HMDのシースルーについて

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