ニューラルネットワークを用いたビルの熱負荷予測

概要

論文の詳細を見る
近年、大規模ビルにおいては、空調にガスや電気と同時に冷、温水が使用されるようになっている。空調に必要な冷、温水は、通常外部の供給会社から買い入れる。また、安価な夜間電力を用いて翌日のための熱を蓄積することなども行われている。常に無駄や不足のないようエネルギを使用するためには、前もって使用量の予測をすることが必要である。従来の熱負荷予測の研究では、ARMAモデルやARIMAモデルによる線形予測、あるいはカルマンフィルタの応用などの報告がある。また、非線形性を導入したニューラルネットワークの使用も検討されているが、ビルの使用状況は日々変化するばかりでなく、天候の不確定性もあるため決定的な予測手法が確立されたということはできない。特に、利用形態の変化が多い複合ビルの熱負荷予測は困難である。我々は、パーソナルコンピュータをベースとしたビルの保守管理システムに組み込むための熱負荷予測手法を検討しているが、ここでは特定のビルを対象として行ったニューラルネットワークを用いた熱負荷の前日予測について報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-03-15