誤文中の形態素出現確率を用いる校正支援
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概要
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われわれは, 日本語校正支援システムFleCSを構築し, 新聞社における実用化を行い, 機能の向上を続けてきた. そこでは, 主に習慣性のある誤りを対象にして, 校閲者の知識を効率的に取り込むことを目指してきた. 新聞社の場合には表記上の基準が規定されているため, この方式が有効であった. このシステムを習慣性のない誤りにも適応させるために, 偶発的に発生する形態素列を, あたかも習慣性のある誤りであるかのように取り扱って一応の成果を得たが, 習慣性のない誤りへの対応としては確率的手法が妥当と考えられる. 確率的手法を用いると, 第1種の過誤(検出漏れ), 第2種の過誤(過剰検出)が発生する何らかのしきい値を用いて検出限界を定めるならば, 第1種の過誤と第2種の過誤はトレード・オフの関係になる. われわれは, しきい値に, 正文・誤文双方における形態素列出現確率を用いて, システムの最適化を試みている. 本稿では, この方式の概要を報告する.
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1994-03-07
著者
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金子 宏
日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所
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脇田 早紀子
日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所
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奥村 薫
日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所
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奥村 薫
Microsoft Corporation
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脇田 早紀子
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所
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