翻訳文における表記揺れの検出・訂正
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概要
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日本語校正支援システムFleCSは, 92年末頃より新聞社ユーザーの実務に用いられてきた。その中で表記揺れを扱うことはよくあったが, 例えば「コミュニケーション」と「コミュニケイション」, 「行う」と「行なう」のように, 正表記と誤表記が単語単位で決まっているようなものがほとんどであった。つまり, 後者を発見したら前者に修正を求めるように禁止語辞書を作っておけばだいたい用が足りていた。ところが, 昨年より弊社の作成するマニュアル文書の校正に用いるようになって, それだけでは不便なことが増えてきた。マニュアル文書の多くは英語からの翻訳文である。一つの英単語(「target」)の訳として複数の日本語(「宛先」 「目標」 「ターゲット」)がある場合がよくあるが, そのうちのどれかだけが正しいのではなくて, ひとまとまりの複合語や分野などの状況によって決まる(「target database name」は「宛先データベース名」, 「target application name」は「ターゲット・アプリケーション名」)。複合語は次々新しく作られ, 正表記の変更もある。なにより, 誤表記は翻訳者によりまちまち(「target database name」に対して「ターゲット・データベース名」 「宛先データベースの名前」など)なことから, とても禁止語辞書のような形では抑えきれない。そこで, 比較的よくメンテナンスされている『翻訳者用辞書』を元にして, なるべく手間をかけずに翻訳文における表記揺れを検出・訂正する目的で, 『翻訳揺れ検出』を作ったので報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24
著者
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