財務諸表知識と内部統制知識を融合処理する企業診断エキスパートシステムの構成
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概要
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現在開発されている企業診断ESの多くは,財務諸表分析に用いられている方程式を直接用いて,財務指標の変化を定性的に推論するものである.たとえば,IBMで開発されている企業診断ESでは,財務方程式をEB(Equation Base)および各説明変数の制約条件をSK(Situational Knowledge)に蓄え,推論機構であるER(Equation Reasoner)により,財務指標の定性情報から,影響の出る財務指標を予測する.また,市販のパソコン用企業診断ソフトでは,財務諸表に基づいて財務データを用いた計算結果を提示するに留まっている.しかしながら,このような財務諸表のみを用いた分析では企業にとって有益な勧告案を提示することは不可能である.一方,会計士は財務諸表結果と内部統制質問書の解答結果を用いて診断を行っており,最初に財務諸表を用いて大まかに経営状態を把握する.即ち,財務諸表を大別して収益性・安全性・健全性・生産性・効率性・成長性などに分け,その各々の範疇を代表する財務指標(主要財務指標)の良否判定を行う.そして改善が必要と判断された場合は,その範疇に関連する財務指標や内部統制質問書の解答結果を用いて原因究明を行い,適切な勧告案を考えだしている.本稿では,専門家と同じKB,即ち財務諸表関連KBと内部統制質問書関連KBという異種KBを融合処理することにより,より有益な勧告案を提示する企業診断システムの枠組みについて検討する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12
著者
-
山口 高平
大阪大学産業科学研究所
-
角所 収
大阪大学産業科学研究所
-
真田 英彦
大阪大学経済学研究科
-
尾崎 弘
関西大学工学部
-
尾崎 弘
関西大学
-
石川 太一
関西大学
-
高松 邦明
公認会計士
-
真田 英彦
大阪大学大学院経済学研究科
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