11 木材炭化に関する研究(第9報) : アラカシ材及び其のメタノール リグニンの熱分解について
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概要
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メタノールリグニンの醋酸収率は絶乾試料の0.85%で従来の文献の値にほゞ等しい。そこで著者の醋酸源という想定は否定されたわけである。しかし乍ら次の様な興味のある事実を知るを得た。(1).溜出液中の濃度とメトオキシル基の濃度から考察すると, 木材の熱分解に於て, 320°以上の経過はリグニンの温度に於ける経過とほぼ同様で, このことは越智及その協力者の報告するところと一致している。(2).260°以下の温度で多量の醋酸が得られている。これを説明するための実験は間もなく実施する。(3).思いがけなくメタノールリグニンの溜出液中のメトオキシル基の収量が160°以下の部分に於て高い値を示した。之はゆるい結合のメトオキシル基が多量に存在することを意味する。(4).ガス量の測定はうまくゆかなかつたがメタノールリグニンの一例に於ては測り得て, 大体溜出液量の消長と並行した変化を示す。(5).メタノールリグニンの乾溜残渣は孔隙の多い光沢のあるピツチ状の塊となつて得られた。(本研究の費用は科学研究費による)
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1952-02-25
著者
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