木材炭化に関する研究(第XI報) : アラカシ材の熱分解における生成醋酸の起源について
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概要
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(1) 26℃以下で多量の醋酸が溜出するという事実は本実験においては20℃毎の溜分中の醋酸を定量してみたが, そのことを再確認した。(2) 1%NaOH抽出木材及びメタノールリグニン抽出残渣の乾溜において, 醋酸の収量は著しく低かつた。(3) 1%NaOH抽出木材の乾溜の経過を見ると220〜240℃の溜分に現われるべき20℃毎の単位溜分中の溜出量のMax.と醋酸の濃度及び量のMax.は消失した。(4) 木材の1%NaOH抽出液中の醋酸量は無処理木材と1%NaOH抽出木材との乾溜生成醋酸量の差に略々匹敵する。そしてこれらの事実より大部分の溜出醋酸の起源は原木材中に存在する加水分解し得るアセチル基であると推定される。(5) アセチル基の形としては遊離の醋酸や醋酸塩ではなくエステル型が最も有力である。(6) 木材からアルカリで分離される所謂ヘミセルローズは木材乾溜において多量の醋酸の起源ではあり得ない。(7) アセチル基が木材中のどの成分と結合しているかは次に解くべき重要な課題である。(費用の一部は科学研究費による)
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1953-10-25
著者
-
南 享二
東京大学農学部
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河村 喜美恵
Department of Forest Products, Faculty of Agriculture, University of Tokyo.
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南 享二
Faculty of Agri., Univ. of Tokyo
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河村 喜美恵
Faculty of Agri., Univ. of Tokyo
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河村 喜美恵
Department Of Forest Products Faculty Of Agriculture University Of Tokyo.
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