木材炭化に関する研究(第15報) : 綿セルローズおよび酢酸セルローズの熱分解
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概要
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綿セルローズと酢酸セルローズの乾溜を行ない, それによりセルローズの乾溜における酢酸収量を決定し, 併せて無処理木材と1%NaOH処理木材との乾溜における差に, 上記2者の差を対応させて比較しようと試みた。なお, 酢酸セルローズの乾溜の報告は既往文献に見出されなかつた。その結果は, セルローズの乾溜による酸収量は3回の実験においてよく一致し, 全酸3.7%, 揮発酸2.3%の値が得られた。乾溜経過から検討すると, 酢酸セルローズは溜出液量, 酸濃度, 酸量とも, 200〜220℃の溜分に極大をもち, 綿セルローズの場合にはこの位置に極大は現われず, この関係は無処理木材と1%NaOH処理木材との関係に近似し, また260℃迄の溜出酸量は, 酢酸セルローズでは全酸でその溜出総量の34.55%, 揮発酸でその溜出総量の34.93%, 綿セルローズの場合は全酸でその溜出総量の1.62%, 揮発酸でその溜出総量の1.75%で, その消長は無処理木材と1%NaOH処理木材との関係に類似し, これらのことから, 木材乾溜においてアセチル基の溜出が240℃附近の極大の原因であることが立証され, 従つてアセチル基が木材乾溜において多量の酢酸の源であることが裏付けられた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1957-12-25
著者
-
南 享二
東京大学農学部
-
折井 弘武
東京大学農学部
-
河村 喜美恵
Department of Forest Products, Faculty of Agriculture, University of Tokyo.
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河村 喜美恵
東京大学農学部
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河村 喜美恵
Department Of Forest Products Faculty Of Agriculture University Of Tokyo.
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