3支点集材架線についての研究(II) : (2)静的状態から類推される操作上の問題点と可能性

概要

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3支点架線の静的つり合い状態を仮定して, 1支点で張力を一定に保ち, 他の2支点での張力を任意に変えた場合の荷重点の軌跡(図-1,図-2)を求めると, 設定張力が十分大きければ, かなり平坦で高い軌跡曲面が得られる。さらに, 2支点をそれぞれ一定張力に保つようにして, 他の1支点で索を操作すると, 図-5のような軌跡曲線が得られる。したがって, この3支点架線の操作は, 各支点で張力を一定に保つような速応性のよい定張力装置を作ることができれば, 大変容易なものとなるであろうと考えられる。その他に, 静的状態から推測できることとして, 3支点の張力をそれぞれ設定したときの理論的荷重点位置からの実際に起こるであろう荷重点位置の誤差について検討した。その結果, 索機構のもつ伝達精度いかんによってはかなり大きな位置誤差を生ずることが予想される。この誤差は, ブログラムランニングには不都合であるが, 手動の場合には好都合である。また, 表-1の荷重点の移動に伴う各索の長さの変化分を計算した結果から, 定張力装置の索の送り速度は, 操作索速度の1.5〜2.0倍の速度を出せるようにする必要があると推論された。
一般社団法人日本森林学会の論文
1972-05-25