Coleosporium paederiae DIETEL ex HIRATSUKAによるストローブマツの葉さび病 : 病原菌の生活史および形態
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概要
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ヘクソカズラ(Paederia chinensis HANCE)を中間寄主とするストローブマツ(Pinus strobus LINN.)の葉さび病菌の生活史と, その形態について調べた。ストローブマツ上の銹子嚢の形成は4月下旬から認められ, さび胞子は5月上〜6月上旬に成熟飛散する(東京)。さび胞子および夏胞子をヘクソカズラに接種した結果, 夏胞子が形成されるまでに約12日, 冬胞子堆形成までには約1か月を要し, 冬胞子は形成後間もなく成熟発芽する。夏胞子はヘクソカズラ上で晩秋まで感染をくりかえすので, 小生子によるストローブマツへの感染は, 初夏から晩秋にかけて行なわれるとみられる。ストローブマツの針葉上に幼若な柄子器が認められるのは10月以降からで, このまま越冬して翌春3月上旬頃成熟するのが普通である。1965年9月下旬に冬胞子をストロープマツに接種したところ, 柄子器形成までに約4ヵ月, さび胞子形成までに約8ヵ月を要した。Coleosporium paederias DIETEL ex HIRATSUKAは従来夏胞子および冬胞子世代のみが記載されていた。それで未記載の柄胞子およびさび胞子世代をふくめて全胞子世代の記載をおこなった。本菌のさび胞子世代の形態は, わが国でストローブマツの葉さび病菌として報告されている他のColeosporium属4種と類似するが, さび胞子はもっとも小型である。
- 日本森林学会の論文
- 1967-08-25
著者
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