落葉広葉樹混生林を構成する樹種の肥大成長特性
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概要
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岐阜県荘川村の約100年生の落葉広葉樹混生林において、落葉広葉樹の幹の肥大成長過程に関する特性を樹種間で比較した。16樹種55個体の試料木を解析したが、それらの肥大成長過程に単純ロジスチック曲線がうまく適合した。樹種別にみると、シラカンバがとくに大きいλの値を示したが、λの値が比較的小さかった樹種にトチノキ、バルニレ、コハウチワカエデ、クリがあった。また、40cm以上の大きなD_<max>を示す試料木を含む樹種に、ミズナラ、コナラ、クリ、イタヤカエデ、ハルニレがあった。当調査区の混生林の中には、シラカンバのように、比較的急な肥大成長過程を示すが大径木にならない樹種と、ミズナラの一部の試料木のように、比較的緩やかな肥大成長過程を示しながら大径木になる樹種が存在していた。多くの中庸樹種が同じ所に共存していることが、成立後約100年が経過した現時点での落葉広葉樹混生林の樹種数を多くしているものと考えられた。今後、時間の経過とともに、この混生林の中でD_<max>が大きい一部の樹種の優占度が高まることが予想された。
- 1995-07-01
著者
-
二宮 生夫
愛媛大学農学部
-
小見山 章
岐阜大学応用生物科学部
-
小見山 章
岐阜大学農学部生物資源生産学科
-
小見山 章
Faculty Of Agriculture Gifu University
-
小見山 章
岐阜大学大学院連合農学研究科
-
肥後 睦輝
岐阜大学地域科学部
-
戸田 清佐
岐阜大学連合大学院農学研究科
-
肥後 睦輝
岐阜大学農学部
-
小見山 章
岐阜大学農学部附属山地開発研究施設
-
二宮 生夫
Ehime Univ. Matsuyama Jpn
-
戸田 清佐
岐阜大学連合大学院農学研究科:(現)岐阜県林業センター
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