同一斜面上に生育するヒノキとミズナラ根重の垂直分布に関する知見
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概要
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比較的若齢の造林地が豪雨等で崩壊すると,広葉樹に較べてヒノキやスギが浅根を示すことがその原因であるといわれることが多い。このことを再検討するために,48年生のヒノキ造林地で,ヒノキ主材木とそこに侵入したミズナラの根重の垂直分布を比較した。2本の試料木を選んで,地上部に関する調査を行った後に,深さ60cmまでに存在する根をトレンチ法により採取した。深さあたりの根重密度の垂直分布パターンを求めたところ,指数関数にしたがう減少パターンを示した。2本の試料木間で,深さ方向の根重密度の減少率に有意差は認められなかった。回帰式を積分して個体根重の垂直分布を計算した。地表から30cmまでの深さに含まれる根重の割合は,ミズナラ試料木で89%,ヒノキ試料木で94%となり,試料木間で垂直分布に極端な違いは認められなかった。また,傾斜地で,ヒノキ試料木は根を谷側に多く配置していたのに対して,ミズナラ試料木は山側に多く配置するという,根の水平分布上の違いが認められた。
- 2003-05-16
著者
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小見山 章
岐阜大学応用生物科学部
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加藤 正吾
岐阜大学応用生物科学部
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小見山 章
岐阜大学農学部生物資源生産学科
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小見山 章
Faculty Of Agriculture Gifu University
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小見山 章
岐阜大学大学院連合農学研究科
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加藤 正吾
岐阜大学農学部
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小見山 章
岐阜大学農学部附属山地開発研究施設
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加藤 正吾
岐阜大 農
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大根 瑞江
岐阜大学農学部
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