御岳山・亜高山帯天然林の動態(XVIII) : 林内稚樹の幹形と年齢推定法の問題点
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概要
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御岳山の調査地で林内稚樹の掘り取り調査を行い,稚樹群の年齢構成を調べた。2×4mの調査区の稚樹本数は167本で,そのうち101本が針葉樹,66本が広葉樹であった。針葉樹稚樹のうち12本の幹は直立性を示したが,89本は地中に匍伏する幹をもっていた。この地中幹をもつ個体のうち25本は胚軸跡まで残存しており,残り64本は地中幹の途中で幹がすでに腐朽していた。針葉樹稚樹で年輪数と芽鱗痕数による年齢解析をおこなったところ,年輪欠如を多くの稚樹で認めた。芽鱗痕から地上幹と地中幹の年齢を推定したところ,平均すると地上部の年齢は総年齢の68%を占めていた。広葉樹稚樹については年輪数による解析しか行えなかった。調査区内の稚樹群の年齢構成をみると,広葉樹の年齢の範囲は針葉樹のそれに較べて若かった。針葉樹稚樹では20年生以下および50年生以上の稚樹数は極端に少なかった。その他,稚樹群の年齢構成に関する特徴を議論した。とくに,地中幹を考慮しないで地際で稚樹を刈り取って年齢を調べた場合,年齢が著しい過小評価になることに注意を促した。
- 岐阜大学の論文
- 1987-12-25
著者
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