西南日本のモミ・ツガ二次林の天然更新過程の年齢構造解析

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西南日本に広く分布するモミ・ツガ二次林の天然更新過程をあきらかにするために、1992年現在の林分の樹齢を調べた。この林分はかつて炭焼き山として利用されていたが、長く放置されてきた。林分は5層からなる。第1層は胸高直径70cm以上と樹高30m以上の針葉樹で樹齢は100年をこえていた。第2層は胸高直径30〜70cmと樹高20〜30mの樹齢70年以上の針葉樹と50〜70年の落葉広葉樹からなっていた。第3層は胸高直径10〜30cm、樹高10〜20mで50〜60年の落葉広葉樹の同齢集団。第4層は胸高直径4〜10cm、樹高3〜10mでほとんどが50〜60年の落葉または常緑広葉樹、第5層は胸高直径4cm以下、樹高3m以下のほとんどが30年以下の常緑広葉樹であった。もっとも老齢の先駆種の樹齢は66年であった。ずっと古い老木の直径成長率を調べると、例外なく62〜65年前に急増していた。これらの結果からこの林分は66年前にほとんど皆伐されたが、その直後に天然更新によってさまざまな樹種がほぼ同時に侵入、発生、定着(IFCモデル)した。いったん落葉広葉樹が優占する林分をつくったが、針葉樹が徐々にそれらを置き換えつつある。現在常緑広葉樹が多数を占めつつあり、将来は針葉樹-常緑広葉樹の混交林にむかう二次林遷移過程にあることがわかった。
1994-11-01

西南日本のモミ・ツガ二次林の天然更新過程の年齢構造解析

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