腫瘍による気管閉塞に対し 99.5% エタノール局所注入が有効であった肺腺癌の 1 例

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概要

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腫瘍による気管閉塞に対し99.5%エタノール局所注入が有効であった肺腺癌の1例を経験した。56歳, 女性, 右S^4発生, 臨床病期T1N3M1, stage IV。両側肺内転移及び癌性リンパ管症と共に広汎な気道粘膜下浸潤を来し, 気管内腔のほぼ2/3を占めるポリープ状腫瘍と気管支内腔に突出する多数の小ポリープ状腫瘍が形成された。気管腫瘍は, TBAC(transbronchial aspiration cytology)針の穿刺により破裂し縮小したが, 約2か月後, 局所再発を来し気管閉塞症状が出現した。腫瘍による気管閉塞を解除するため99.5%エタノールの腫瘍内注入を試みた。その結果, 腫瘍は壊死に陥り気管壁より脱落し閉塞は解除された。その後, 呼吸不全で死亡するまでの約3か月間, 気管腫瘍の局所再発は認められず, 本療法が有効であったと考えられた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1990-03-25

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