分散共有メモリ型並列計算機の自動スケジューリング手法

概要

論文の詳細を見る
分散共有メモリ型アーキテクチャの魅力は,分散メモリ型並列計算機のスケーラビリティやコスト・パフォーマンスの良さに加えて,共有メモリ型並列計算機モデルでの並列プログラミングや並列化コンパイラの容易さにある.そこで本稿では,分散共有メモリ型アーキテクチャに対する,動的なデータ管理や,スケジューリング環境の設計や実装といった問題について考察する.メッセージパッシング型並列計算機では,静的なアプローチが圧倒的に多いが,ここで我々は,特にマルチユーザー環境の場合に,動的リソース管理が有効であることを主張する.つまり,静的な方法より,よい負荷分散が得られ,物理的分割の変化にも馴染む,ハイブリッドなデータとタスクの分割テクニックを提案するのである.また,実行環境のアーキテクチャを示し,クリティカルな構成要素の一部の実装について詳しく述べる.典型的な実行プロファイル方式のベンチマーク・テストを用いた予備結果では,我々の提案する手法の優位性が示されている.すなわち,最小の制御による動的手法がもたらす負荷分散とリソースの高利用性という利点は,不完全なデータ局所性から生じる通信遅延の増加,あるいは実行時の付加的なオーバーヘッドといった欠点を,十分に補い余りある.
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-10-27

分散共有メモリ型並列計算機の自動スケジューリング手法

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク