移動計算機のための帯域の狭いネットワーク環境を考慮した情報発信機構(<特集>マルチメディア通信プロトコル)

概要

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本論文では, 移動計算機情報発信システムにおける移動計算機とアクセスポイントまでの通信帯域の問題点を述べ, その問題を解決する情報発信機構を検討する.通信帯域が狭い場合, すべてのユーザの要求を満足する情報発信はできない.本論文では通信帯域が狭いネットワークにおいても, そのネットワーク帯域を効率良く使用し, できる限りユーザの要求を満足する情報発信機構を提案する.また, 提案する機構は様々なネットワークを利用する移動計算機環境を考慮し, ネットワークに依存しないアプリケーション層で実現する.具体的には通信路の数を制御することで, 通信のスループットを向上させ, さらに優先度に従いデータを発信する.また, 本機構のプロトタイプを実際に実装し, 2種類のネットワークを用いて, 発振機構で重要となる制御パラメータを解析した.その結果, 通信の揺らぎを考慮しない発信と比べ, 揺らぎを考慮するパラメータを最適に設定することで, 性能が40%向上することを確認した.
一般社団法人情報処理学会の論文
2000-02-15