ラッキョウから分離されたタバコモザイクウイルスの新系統
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概要
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宮崎県で栽培されている萎縮症状を呈したラッキョウからTMVと思われる1ウイルスが分離された。この株は普通系(TMV-OM),トマト系(-L), トウガラシ系(-P)およびヤチイヌガラシ(-C)と異なる寄生範囲を示した。すなわち, 本実験に用いた4種の Allium属植物に感染性が認められたが, トマトには感染性を示さなかった。また, 供試した3種の Nicotiana属植物での病徴はTMV-OMと類似していたが, タバコの品種 Bright Yellowには全身病徴あるいは局部病斑を示さず, 接種葉のみで極めて少量の増殖をした。このウイルスは粒子の形態, 耐熱性, 耐希釈性, 耐保存性さらに外被タンパク質とゲノム RNAの分子量において TMV-OMとほぼ同一であった。しかし, 本株の血清学性質は寒天ゲル内二重拡散法, intragel cross absorption test, DAS-ELISA法でTMV-OM, -Lおよび-Pと異なっていた。以上の結果から, この分離株はTMVの新しい1系統であると考えられたので, TMV-ラッキョウ系(TMV-R)と命名するよう提案したい。
- 1994-02-25
著者
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