ムギ類赤かび病菌のわが国における種類と分布
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概要
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1979〜87年に全国202地点で採集したムギ類の粒あるいは赤かび病類似症の穂からFusariium菌を分離・同定した。これらと国立衛生試験所保存のムギ類粒から分離されたれたFusarium菌を開花盛期のコムギ穂に噴霧接種した。5種(F. roseumの6 cultivarを含む) 273菌株のうちコムギ穂に赤かび病症状を呈したのはF. roseum 'Graminearum', 'Avenaceum', 'Culmorum', 'Acuminatum', F. nivaleおよびF. tricinctumであった。ただし, F. tricinctumのうち, Booth(1971)の分類により細分されるF. sporotrichioidesとF. tricinctumには病原性のあるものが存在した。コムギ穂に病原性を示す'Graminearum'は全国各地に分布したが, 'Avenaceum'は北海道と山口県, 'Culmorum'は北海道と岩手県の試料のみから分離された。また, 病原性のある'Acuminatum'は東北・北陸・関東・四国, F. nivaleは北海道・北陸, F. tricinctumは北海道・東北・北陸・四国におのおの分布した。本研究により本病病原菌としてわが国では既知のF. roseum 'Graminearum', 'Avenaceum'の他にF. nivale, F. roseum 'Culmorum'が存在し, F. roseum 'Acuminatum', F. tricinctumも本病病原菌となりうることが明らかとなった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1991-04-25
著者
-
加藤 肇
神戸大学農学部
-
一戸 正勝
国立医薬品食品衛生研究所
-
林 長生
農業研究センター
-
一戸 正勝
国立衛生試験所
-
小泉 信三
農業研究センター
-
加藤 肇
農業研究センター
-
吉野 嶺一
農業研究センター
-
一戸 正勝
衛試
-
一戸 正勝
国立予防衛生研究所
-
吉野 嶺一
シンジェンタ ジャパン中央研究所
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