並列推論ネットワーク : スキーマの表現と並列探索
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概要
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ニューラルネットワーク情報処理による高次認知処理問題を実現するためのアプローチとして,コネクショニスト記号処理モデルが注目されている.本モデルはニューラルネットワーク情報処理の原理を自然言語処理や意志決定支援問題といった高次認知処理問題に適用するために,ネットワークの知識表現能力を向上させる方法論の確立を主な目的としている.本研究は,複雑な階層構造を持つ対象領域に関する概念や状況をネットワークの学習メカニズムにより表現する方法として並列推論ネットワークを提案する.1つの概念や状況は複数の知識の構成単位の組合せにより表現され,知識の基本単位は複数の上位レベルの概念や状況の構成要素になる.また,概念や状況間には階層構造が存在し,下位概念は上位概念の構成要素になる.このような複雑な階層構造を表現するために,記号処理モデルの知識表現法ではポインタが用いられる.並列推論ネットワークによる知識表現とは,知識間の相互関係をポインタのような固定された一本のリンクではなく,重み付けされた複数のリンクにより対応付け,表現する方法である.そのような知識間の複数のリンクの結合係数は知識間の包含関係を学習例として,学習アルゴリズムにより獲得する.本アプローチをスキーマの表現と並列探索問題に適用し,並列推論ネットワークの知識表現能力について検証する.また,ネットワークの新しい学習アルゴリズムとして瞬時学習法を提案し,学習例を一度提示するだけでリンクの結合係数が求められることを示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-12-15
著者
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