個々の非合理性に基づくマルチエージェントの合意形成法

概要

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各々が欲求の充足やその最適化によって動機づけられて行動する複数の合理的主体間で, 合意を形成することは困難であることが一般に知られている. 人間社会においては, 同調行動などの非合理的な行動が多く見られるが, そのような非合理的側面が調和のとれた社会的行動や社会的秩序を形成するための要因になっているものと思われる. 本論文では, 自己の選好に対し合理性と非合理性を併せもつエージェント間での合意形成法について考察する. 個々のエージェントは選好対象の集合上に定義される選好をもち, 集団としての合意形成を得るためには, その選好を集約し, 集団としての選好を決定する必要がある。また, そのために個々のエージェントの選好関係をインデックス化して表現する方法を提案し, 選好インデックスを集約化することで, 集団としての選好関係を決定する。そして, 個々のエージェントは非合理性の度合によって, 集団の選好と自己の選好に異なる重み付けをしなから選好の修正をし, 新たな選好関係を生成する. 非合理性に関して異なるタイプをもつ複数のエージェント間での合意形成の諸性質についてシミュレーションによって明らかにするとともに, マルチエージェントによる集団意思決定支援への適用例について示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-08-25

個々の非合理性に基づくマルチエージェントの合意形成法

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