日本語文章推敲支援ツール『推敲』における助詞「が」の抽出について

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日本語文章推敲支援ツール『推敲』は日本語文章を字面だけで解析し,推敲に役立つ情報を書き手に提供することを目的として開発したツールである.本論文では,助詞「が」について,それを指摘する意義と抽出法の構築および評価に関して述べている.助詞「が」には接続助詞「が」と格助詞「が」とがある.文章を推敲する場合に,あいまいな接続助詞「が」や,格助詞「が」ととりたて詞「は」の使い分けを熟考することは重要である.まず,実際の文章中の文字「が」を調査し,格助詞,接続助詞,その他に分類した.その結果を基に,文章中の「が」からその他の「が」と接続助詞とをふるい落とすことで,格助詞「が」を抽出する抽出法を構築した.その際に,既存の接続助詞「が」の抽出法を使用することを検討した.しかし,この抽出法では,接続助詞でない「が」も候補に含んでしまうため,それをそのまま格助詞「が」抽出に使用すると,候補に含まれない格助詞「が」が存在してしまう.今回,用言,助動詞だけを要素として持つ辞書を構築し,それと字面解析手法を使用して,接続助詞「が」の抽出法の再構築を行った.その結果,新聞記事データから95.7%の精度で接続助詞「が」を抽出できることを確認した.この抽出法を利用して格助詞「が」の抽出を行った.また,格助詞「が」の抽出法と以前構築したとりたて詞「は」の抽出法とを利用して,「が」と「は」を複数含む文を高速に抽出して書き手に提示することができる.
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-08-15

日本語文章推敲支援ツール『推敲』における助詞「が」の抽出について

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