集合指向言語 SOL の拡張とフローグラフのインターバル解析への応用

概要

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集合指向言語SOLは,アルゴリズムの自然なプログラム化を目的として筆者らが開発した言語であるが,有向グラフなどのデータ構造を操作するアルゴリズムの記述が複雑化し,計算時間の増加や記憶領域使用効率の低下をもたらす場合が出てくるという問題点があった.これは,SOLが多値関数の記法を言語仕様に含まないことに起因する.また,集合式の制限が強いという問題点もあった.そこでSOLに多値関数である対応の概念を導入することによって言語仕様を拡張し,言語の記述能力の改善を行った.具体的には,対応,逆対応および逆写像の記法の導入,対応の導入に伴う対応定義文の拡張,対応操作文の導入などである.集合式については,内包記法の拡張と範囲指定形式の追加を行った.また,拡張された言語仕様に対応して,新たに言語処理系の開発を行った.本論文では,SOLの拡張言語仕様について述べると共に,フローグラフのデータフロー解析に利用されるインターバル解析アルゴリズムと,これを用いて簡約可能なフローグラフの導出順序を計算する手続きを取り上げ,これが拡張したSOLで,旧SOLと比べ簡潔かつ効率よくプログラム化できることを示す.
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-02-15