高水準マイクロプログラム記述用言語によるエミュレータの記述とその最適化効果

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仮想のスタック・コンピュータ(SC)を用いるPASCAL(P)の処理系は, 利用者がSCのシミュレータを作成することにより, 容易に利用者の手元の計算機に移植できる有利なシステムであるが, 記憶領域と実行時間の点で効率が悪い. そこで, 筆者らは, SCのシミュレータをマイクロプログラム(μP)化することによりSCのエミュレータを作成し, 効率の改善を行った. SCのエミュレータの記述にあたって, 高水準μP記述用言語MPL 200/IIを用いた結果, μPのコーディングとデバッグに要する労力を軽減でき, 解読性のよいソースμPリストが得られた. また, MPL 2O0/IIコンパイラにおいて, 冗長なマイクロ命令の削除などの最適化に加えて, 主記億のアクセス時間における改良した最適化技法を適用した結果, エミュレータのオブジェクトμPの語数を約20%縮小することができた. また, いくつかのPASCALプログラムを実行した結果, 中型計算機上のシミュレータと比較して, エミュレータ化により3.4〜3.6倍の処理速度が得られた. また, 最適化によって, エミュレータの処理速度を, 約1.3倍に向上させることができた. さらに, コンパイラによって最適化されたμPは, 人手によって最適化されたμPにかなり近いことが確かめられた.
一般社団法人情報処理学会の論文
1980-03-15

高水準マイクロプログラム記述用言語によるエミュレータの記述とその最適化効果

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