電話音声認識による資金移動サービスと対話の評価(<特集>次世代ヒューマンインタフェース・インタラクション)

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近年, 音声認識技術の発達により, システムがユーザの音声を認識し, 対話を行いながらサービスを行う音声対話システムが多数提案されている.我々は電話を用いた音声対話による資金移動サービスを想定し, その実現性について検討を行うために電話音声認識試作装置を開発した.電話音声認識試作装置は回線制御部を伴う音声認識ボードを6枚装着し, 同時に6回線分の音声対話を処理することができる.本装置を使用し, ユーザの対話システムへの慣れと知識がシステムの性能に与える影響について測定した.評価は, 90人の被験者に疑似的な振込サービスを行ってもらうことにより実施し, 各被験者毎にシステムについての知識を与える前と与えた後の2回について, サービス達成率を測定した.その結果, ユーザが発声を繰り返すことによるシステムへの慣れと, システムについての知識の習得との双方について, それぞれサービス達成率の向上への効果がみられた.知識の与え方については, ユーザとシステムの対話例を被験者に試聴させることが効果のあることが分かった.評価実験の後に各被験者に対してアンケートを実施し, 被験者が音声対話に対して感じる心理的な利便性について測定した.アンケート結果により約60%の被験者が電話による音声対話システムについて利便性を感じているとの回答を得た.
一般社団法人情報処理学会の論文
1998-05-15

電話音声認識による資金移動サービスと対話の評価(<特集>次世代ヒューマンインタフェース・インタラクション)

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