(43)輸入検疫で発見されたFusarium sp.によるカボチャのフザリウム果実腐敗病(新称)
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概要
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2002年3-4月に輸入されたニュージーランド産カボチャ果実(Cucurbita maxima)に果頂部あるいは果尻部が白色の菌叢で覆われ,やがて腐敗する症状を認めた.一方,菌叢の周囲に亀裂を生じるが腐敗しない果実も存在した.前者よりFusarium sp.,F.crook-wellense(=F.cerealis),後者よりF.compactumが分離されカボチャ果実への有傷接種でFusarium sp.にのみ病原性を認めた.本菌のPDA培地,25℃,暗黒下での菌叢は平滑,白色で培地の中央は赤変する.生育適温は25℃(約6mm/日).5℃で生育し,35℃では生育しない.SNA培地,20℃,暗黒下で小分生子は形成せず,モノフィアライドから大分生子を形成する.foot cellとapical cellはほとんど突出しない.隔壁は太く,3隔壁が多い.3隔壁の大分生子サイズは17.5-31.3×3.8-6.3(平均24.4×5.0)μm.本菌の分生子形態は,Gerlach and Nirenberg(1982)によるF.sambucinumに似るが,種名についてはさらに検討したい.Fusarium sp.によるカボチャ果実の病名は本邦未記載のため,フザリウム果実腐敗病(Fusarium fruit rot)を提案する.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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