(44)Fusarium avenaceum(fries)Saccardoによるラッキョウ赤枯病(新称)の発生
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概要
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千葉県蓮沼村で,生食用ラッキョウの葉身部が黄色〜赤紫色に変色して歪曲し,葉鞘部が褐変腐敗する症状が,以前から発生し,問題となっていた.被害株の生育は抑制され,激しい場合は立枯れ状となった.病斑部からはFusarium属菌が高率に分離された.本苗はPSA培地上て初め紅色,後に黄色がかった紅色〜褐色の菌叢を形成し,紅色がかった白色の気中菌糸を生じた.SNA培地上では培地表面のフィアライドから主に5〜7隔壁,鎌形で長い分生子を,気生の分生子柄からは主に1〜3隔壁,紡錘形でほぼ直線状の出芽型分生子を形成したことからFusarium avenaceum(Fries)Saccardoと同定した.この菌をラッキョウ葉鞘部に有傷または無傷で貼り付け接種し,シャーレ湿室に6日間保ったところ,有傷接種では明瞭に,無傷接種ではわずかに病斑が形成された.これをポットに定植したところ,接種2ヶ月後には有傷接種で,接種4ヶ月後には無傷接種でも地上部病徴が再現され,病斑部からは本菌が再分離された.以上から,本病をラッキョウ赤枯病(新称)としたい.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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