信仰に関わる場所としての黄檗派寺院の伽藍構成に関する歴史的展開過程について

概要

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本稿は、国内における「信仰に関わる場所」に関しての歴史的展開過程について、具体的な研究対象としては仏教寺院の伽藍の内、黄檗派寺院の伽藍に関して明らかにしようとした研究である。日本の仏教寺院の伽藍の在り方に関しての建築史的研究を本稿において行なうに際して、伽藍の在り方について「禅の修行を行なう」という「宗教上の機能(働き)」をもつ「信仰に関わる場所」と捉えた研究を行なった。さらに、本稿では黄檗派寺院の伽藍の在り方を「伽藍構成」と呼び、「禅の修行空間」についての建築学の捉え方として、「信仰に関わる建築空間」と名付けた。この「信仰に関わる建築空間」に関して、江戸時代を通じての黄檗派寺院の伽藍構成についての歴史的展開過程を時代展開順に、「始まり」、「確立」、「成立」、「変容」、「普及」および「定着」として、捉えることができることを述べた。以上の研究成果をここに公表することによって、このような建築史的な一つの研究が日本文化の理解にとって、新しい一つの視点を供給するもの、と考えた。
福岡国際大学・福岡女子短期大学の論文
2004-07-24