<論文>黄檗派寺院における大雄宝殿の荘厳(しょうごん)性についての建築史的一考察
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概要
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国内では特異な建築空間をもつ黄檗派寺院の伽藍において, 伽藍の中心的な堂宇である大雄宝殿と呼ばれる建物の造形に関して, その荘厳(しょうごん)性が黄檗禅を行なう上での宗教上の機能をもって理念的に認められていることを指摘した。加えて, この大雄宝殿の荘厳性は, 具体的にはこの建物の外観を二重の屋根形でもって整えることにあったことを全国の黄檗派寺院の調査研究の結果, 考察できることを述べた。そして, 今日使用の一般的な用語であって分かり易い「二重屋根」という用語が江戸時代において建築技術者にも用いられていたことを述べて, 従来の建築史学で専門的にのみ用いられていて全く同じ外観を示す「一重裳階(もこし)付き」の構造を含んだ表現よりも, 荘厳性を示す語としては「二重屋根」の方が相応しいことを提案した。本研究の目標は, 建築の造形がどのような建築空間(建築とか自然がもたらす雰囲気)を志向しているか, を考察することにある。
- 福岡国際大学・福岡女子短期大学の論文
- 2000-02-02
著者
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