<論文>日本の住まいにおける信仰空間の存在について
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概要
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本稿は, 「日本の住まい」の中にかつて「信仰空間」が確かにあった, という歴史的な証拠を幾つかの信仰に限って具体的に論証したものである。先ず, 「隠れキリシタン」の住まいを探し出してきて, 江戸時代後期の住まいに推定復元する研究を経ると, 「ナンド」という閉鎖的な空間における「信仰する行為」の在り方が見えてきた。次に, 黄檗派の禅を信仰する住まいについては, 筆者が"座敷本堂"と呼ぶ住職の住まいのような本堂や雲水達の「寮」において, 「信仰空間」が伺えることを指摘した。念仏者の住まいについては, 浄土真宗寺院の原理的かつ初期的な形式が「毛坊主の住まい」であろうことを具体的に住まいの建物の資料をもって示すことから始めて, この住まいにおける「信仰空間」の場所を的確に指示した。次に, 江戸時代前期における「内仏願書」という古文書の中において, 日本の一般的な住まいである「民家」中に「寝間」においての「信仰空間」を明確に指摘することに成功した。
- 2001-07-16
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