ヒスタミン加ラットγ-グロブリンのラット肥満細胞よりのヒスタミン遊離抑制

概要

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histamine carried rat γ-globulin(HRG)の, 主に compound 48/80 によるラット腹腔細胞からのヒスタミン遊離に対する影響を調べ, 以下の成績を得た.1) compound 48/80 によるラット腹腔細胞からのヒスタミン遊離に対する HRG の抑制作用は, HRG の濃度およびラット腹腔細胞との pre-incubation time に依存した.2) ラット血清の Cohn 分画中では, γ-グロブリン分画 (Fr-II) に最も強いヒスタミン遊離抑制能が認められ, かつ γ-グロブリンに種特異性が存在することを示唆した.3) HRG は, その構成成分のおのおのよりも強いヒスタミン遊離抑制能を示した.4) HRG は, 抗原抗体反応によるラット腹腔細胞からのヒスタミン遊離に対しても抑制作用を示したが, Con A によるヒスタミン遊離に対しては, 有意な抑制を認めなかった.以上の結果から, HRG の作用は, HRG の中の γ-グロブリンが肥満細胞表面に固着し, その γ-グロブリンが carry しているヒスタミンがヒスタミン受容体に効果的に作用した結果であろうと推察される.
日本アレルギー学会の論文
1979-09-30