リウマトイド因子と補体の関係に関する研究
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概要
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リウマトイド因子(RF)と補体との関係を明らかにするため, 抗原としての変性IgGを還元アルキル化して抗補体作用を消失させ, また, 溶血素を19S分画と7S分画に分けた.つづいてRFの特異的精製を試み, これらの材料を用いて, 補体結合反応, 免疫粘着阻止反応, 受身凝集反応, 受身溶血反応, ゲル内溶血反応, 補体成分を附着した感作血球による凝集反応を行ないつぎのような結果を得た.1.還元アルキル化した変性IgG(pU-IgG(MM))を用いた, 補体結合反応ならびに, 免疫粘着阻止反応の結果では, RFは抗原と結合しても, モルモット補体ならびにヒト補体の消費を示さない.2.同様にして, pU-IgG(MM)で感作したタンニン酸処理血球は, RFの存在いかんにかかわらず, モルモット補体とは結合せず.溶血反応を示さなかつたが, 一方ヒト補体をRFとは無関係に結合して, 溶血反応を示した.3.リウマチ反応陽性血清中に存在する溶血阻止因子は, ゲル内溶血反応においても認められ, 凝集反応のい影響だけではないことが確認された.つぎに, 19Shemolysinで感作した血球を用いても, 溶血阻止因子は検出され, RFとは直接関係がないことが明らかにされ, また, RFを特異的に精製すると, このような溶血阻止活性は失われ, リウマチ反応陽性血清中に存在する溶血阻止因子には, RFとは別のものが存在することが示唆された.4.補体成分を附着した感作血球に対するRFの凝集価は, 補体成分を附着していない感作血球との間のRFの凝集価と有意な差がなく, RFと補体の附着する部位が異なることが明らかになつた.
- 1971-06-30
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