フェノバルビタールに過敏反応を認めた "Acquired" Hypogammaglobulinemia の1例
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概要
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18才の女性が, Hydantol F, コンレイ, 抱水クロラールを投与され, 皮膚・粘膜・眼症候群を呈し, 肝腎の障害に引き続いて血清免疫グロブリンの低下をきたした.すなわち, 入院時 IgG 1400mg/dl, IgA 76.7mg/dl, IgM 81.3mg/dlであったが, 皮膚症状および肝・腎障害を経過した後 IgG 420mg/dl, IgA 10mg/dl以下, IgM 42mg/dlに減少した.7ヵ月後 IgG および IgM はやや増加したが, IgA は認められなかった.1年3ヵ月後 IgG はさらに低下し, IgM も著しい減少を示した.2年4ヵ月後 IgG および IgA は引き続いて低値を示している.一方, IgM は増加してきた.入院時, IgA, IgM の軽度の低下があり先天性異常も否定にはできない.しかし, 本症例がフェノバルビタールに過敏反応を呈することが認められたので, 発症3ヵ月以後の Ig 値の著明な低下の成因としてフェノバルビタールによる発症も考慮されるべきことを論じた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1972-06-30
著者
-
中沢 浩亮
東京共済病院アレルギー呼吸器科
-
広瀬 俊一
東京大学医学部物療内科
-
河野 保
東京都立墨東病院第2内科
-
広瀬 俊一
東京大学物療内科
-
野田 茂寿
東大物療内科
-
中沢 浩亮
東京共済病院
-
横山 芳正
東京都立墨東病院内科
-
中沢 浩亮
東京都立墨東病院内科
-
野田 茂寿
東京大学物療内科
-
河野 保
東京都立墨東病院内科
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