木材の水分と加工性
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概要
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木材の加工には切削,乾燥,接着,塗装をはじめとして,ベニヤ(単板)を作るためのはぎ取り(peeling),パ-チィクルボ-ドのパ-チィクルを作るための刮げ取り(flaking),チップを作るためのはつり(chipping),塑性加工の曲げ木そのほか釘着,注入,琢磨,印刷など各種各様の加工法が用いられる.そして木材を原料として,これらの加工にとって製材,合板,集成材,パ-チィクル-ボ-ド,ファイバ-ボ-ド,紙など各種の木質材料が製造され,さらにこれらの木質材料は,再び同様の各種の加工によって,建築に,土木に,梱包にと多量に使用される一方,それぞれ単独に,あるいは他材料と併用されて家具,楽器,運動具その他各種の木質製品が作られる.一方木質は親水性が強く,木材は多孔性構造物であるため,水に濡れやすく,水分を扱いやすく放出しやすい特質があり,水と木材とは良きにつけ悪しきにつけ,常に切っても切れない重要な関係にある.そして水の木材中での存在状態も,化学的結合から水滴まであらゆる状態があり,またその分布も一様とは言いがたく,周囲の水分状態と関連してたえず変化する.木材の各種の性質が,水分の含有量と存在状態によって大きく左右されることは本稿座の第3,第4報にみられるとおりであり,当然木材の加工にあたっては水分の存在状態やその量との関係について充分な考慮がなされねばならない.各種の加工法と木材の含有水分との関係は,具体的には加工法それぞれによって異なった様相を呈する.本稿では木材の加工法のなかで最も大切な切削と接着の二つの加工法をとりあげその水分との関係を,前者を杉原が後者を浜田が分担して論述することにする.
- 1972-04-15
著者
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