木材繊維-メタクリル酸メチル共重合物による成形板の製造
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概要
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[Author abstract]The polymerization of methyl methacrylate (MMA) onto wood fiber was carried out in the presence of water and redox initiator, then the molding condition of polymerized wood fiber-polymer composite and their properties of the molded boards were investigated. The results obtained are summerized as follows: (1) It was possible to produce the moldable wood fiber-PMMA composite easily under the room temperature and high graft efficiency was obtained using H_2O_2-Fe^<2+> initiater. (2) Molded boards from wood fiber-PMMA composite were produced under the condition of molding time: 5 minutes., molding pressure: 20-30 Kg/cm^2 and molding temperature: 220℃. (3) Mechanical properties and dimensional stability of molded boards were influenced by specific gravity and polymer contents of the board. The moisture uptake and swelling of the board were remarkably decreased along with increasing of polymer contents, and the modulus of rupture and elastisity in bending of molded boards increasing of polymer contents. (4) Specific gravity and bending strength of molded board were increased by the addition of plasticizer, however hygroscopic and swelling properties were not modified.[著者抄録]レドックス重合開始剤を触媒に用いて、木材繊維とMMAを水溶液中で共重合反応させて複合体をつくり、種々の条件で成形して得られる成形板の性質を検討した。実験結果を要約するとつぎのとおりである。(1)過酸化水素と硫酸第一鉄からなる重合開始剤を用いて木材繊維とMMAを反応させると、低温で速やかに重合が進み、グラフト効率の高い共重合物(複合体)が得られる。(2)木材繊維とMMAの共重合物からなる複合体を、温度220℃、圧力20~30kg/cm^2、時間5min.の熱圧条件で成形すると、比重0.8~1.0、曲げ強度250~400kg/cm^2程度の黒褐色の硬質板を得ることができた。(3)成形板の強度と寸法安定性は、ボード比重とポリマー含有量によって影響され、比重およびポリマー含有堤の増加に比例して曲げ強度と弾性率が増加し、吸水率および寸法変化率が減少する傾向が認められた。(4)成形のさいに可塑剤を添加すると、複合体の熱可塑性が増加して高比重で高強度の成形板が得られる。しかし、可塑剤による強度および寸法安定性改善の効果は密度増加によるものであって、低比重領域の成形板では改善の効果は認められない。
- 近畿大学の論文
- 1977-03-15
著者
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