子宮頚癌に対する細胞性免疫反応とDNCB皮膚反応からみた担癌宿主の細胞性免疫能との相関に関する形態学的研究

概要

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担癌宿主の癌に対する細胞性免疫反応の形態的表現型である間質反応,所属リンバ節の免疫形態と,DNCB反応でみた非特異的細胞性免疫能との相関を,子宮頚部扁平上皮癌84例で検討した.1)問質反応強陽性例の87.5%はlymphocyte pledominance pattern,陰性例の46.7%はlymphocyte depletion pattern,53.3%はunstimulated patternを示し,間質反応の程度と,所属リンバ節の免疫反応とは有意の相関を示した(P<0.O05).2)DNCB皮膚反応陰性20例の間質反応は,陰性8例,弱陽性7例,強陽性5例,またDNCB皮膚反応陽性64例では,陰性7例,弱陽性30例,強陽性27例であり,DNCB皮膚反応と問質反応との問には,有意の相関を認めた(P<0.05).3)DNCB皮膚反応陰性20例の所属リンパ節はlymphocyte depletion pattern 4例,unstimulated pattern 6例,lymphocyte predominance pattern 10例であり,DNCB皮膚反応陽性64例ではlymphocyte depletion pattern 6例,unstimulated pattern 10例,lymphocyte predominance pattern 48例となり,DNCB反応陽性例の所属リンパ節はlymphocyte predominance pattern を示すものが多かったが,推計学的には有意の相関はたかった(P>O.05).また,unstimulated patterとlymphocyte predominance pattern群のDNCB皮膚反応も有意の差はなかつた(P>O.05).癌に対する免疫反応の形態的パラメーターと,DNCB皮膚反応というパラメーターでみた担癌宿主の細胞性免疫能との間のdiscrepancyは,癌関連抗原とDNCBという両者の抗原の違い,あるいは局所と全身の免疫反応の差等によることが示唆された.また,これらのパラメーターの間には,必ずしも強い相関関係はみられなかつたので,形態的パラメーターを含むより多くのパラメーターを総合的に判断することは,癌免疫を解明するために必要であることが強く示唆された.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1980-05-01

子宮頚癌に対する細胞性免疫反応とDNCB皮膚反応からみた担癌宿主の細胞性免疫能との相関に関する形態学的研究

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