破壊胞状奇胎の組織像の検討
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概要
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破壊胞状奇胎39例を組織形態学的に検討した.(1)絨毛間質の変化は,Central hydropsを示すもの21例(54%),hydropic degeneration7例(18%),および"その他"の所見11例(28%)であった.肉眼的非奇胎を先行妊娠とする破奇の絨毛間質はcentral hydropsを示すものはなかった.(2)破奇絨毛組織のhistological gradeはGrade I25例(64%),GradeII8例(20.5%),GradeIII6例(15.5%)'であった.これを先行妊娠の最終月経からの期間との関係をみると,この期間が長くなるにつれてGradeは低くなる傾向を示した.histological gradeと絨毛間質の変化には,一定の傾向はみられたかった.histological gradeと破奇の悪性化(絨毛癌)とは,一定の傾向はみられなかった.(3)絨毛組織に対するcellar reactionは,陰性18例(47%),軽度陽性15例(39%),中等度陽性5例(14%)であり,強陽性例はなかった.このcellar reactionの程度とhistologicl gradeの間には一定の傾向はみられなかったが中等度陽性例に,Gradeの高いものが多い傾向にあつた.悪性化例と,cellar reactionの間には,相関はみられたかった.(4) 血管内栓塞,組織学的に16例で認められ,この内7例に胸部レ線写真で"肺転移像"が見られた.histologicl gradeIIIのものに血管内栓塞が多かった.(5)破奇病巣の存在部位,(子宮筋層内へg侵入の深さ)と,histologicl gradeとは,相関を認めなかった.以上の結果を破奇の本態論との関係で考案した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-02-01
著者
-
児玉 省二
新潟大学医学部産婦人科学教室
-
竹内 正七
新潟大学医学部産科婦人科
-
小幡 憲郎
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
半藤 保
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
広神 俊彦
新潟大学医学部産科婦人科学教室
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