微量精子不動化試験法による頚管粘液内補体依存性精子不動化因子の検索

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血中抗精子抗体の中でも,補体依存性の精子不動化抗体は不妊症婦人にのみ検出されるが,この抗体による不妊症発生機序を解明する為には,血中のみならず***管内に於ける抗体の存在を明らかにすることが必要である.本論文に於ては,***管内分泌液の中でも実験材料として採取が容易である排卵前頚管粘液(CM)を用いて,その抽出液中の精子不動化抗体の有無について検討した.抗体検出法は実験材料が微量である為新たに考案した精子不動化試験のmicrotechniqueを用いて行なった.すなわちmicrotrayに流動パラフィンを充填し,流動パラフィン下でCM抽出液10μl,精子浮遊液1μl.補体成分としてモルモット血清2μlを混合して,倒立願徴鏡下で精子運動率を経時的に算定し対照(C%)に比べて検体中の精子運動率(T%)が50%以下にたった場合,すなわちC/Tが2以上の場合を陽性と判定した.血中精子不動化抗体保有不妊婦人に於ては13例中10例(76.9%)にCM中の補体依存性精子不動化因子を認めた.血中精子不動化因子を保有したい不妊婦人に於ても72例中11例(15.3%)にCM中の補体依存性の精子不動化因子が検出され,抗精子抗体の局所産生が示唆される結果を得た.周期的にCM中の精子不動化因子を調べてみると,血中抗体価とは必ずしも平衡喧ず,また周期によっては血中抗体が陽性にもかかわらず,CM中に精子不動化因子の検出されたい時期のあることを知った.
1980-04-01

微量精子不動化試験法による頚管粘液内補体依存性精子不動化因子の検索

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