抗hCGモノクロナール抗体感作血球凝集反応による尿中hCG特異的測定法の開発
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概要
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抗hCGモノクロナール抗体(Mab)を用いた, 簡便で特異性の高い, 高感度尿中hCG測定法の開発を目的として, 抗hCG-Mab感作赤血球の組み合わせによるReverse passive hemagglutination (RPHA)を用いた尿中hCG測定法を検討した. 抗hCG-Mabは当教室で樹立した3種の抗hCG抗体産生ハイブリドーマ(5D4, 6E4, 2F8)より得た抗体5D4-Mab, 6E4-Mab, 2F8-Mabを用いた. 3種の抗体はともにIgG_1で, その特異性は5D4-Mabが主にhCG, hCG-β, LHと反応し6E4-Mabが主にhCG, hCG-α, LHと反応し2F8-MabはhCGとのみ反応しhCG-α, hCG-β, およびLHとは反応しない抗体である. 各抗体をアルデヒド固定, タンニン酸処理した羊赤血球(SRBC)に感作させ, 3種類の抗hCG-Mab感作赤血球(5D4-SRBC, 6E4-SRBC, 2F8-SRBC)を作製し, 種々の感作赤血球組み合わせを用いたRPHAによる尿中hCG測定の測定感度と特異性につき検討した. 各感作赤血球組み合わせの中で5D4-SRBCと2F8-SRBCの組み合わせによるRPHAが最も高い測定感度(12.5mIU/ml)と最も高い特異性(hCG/LH比=1 : 64)を示した. この組み合わせによるhCG測定範囲は12.5mIU/ml〜1.0×10^6mIU/mlで, これ以上の濃度ではprozone現象が見られた. 5D4-SRBCと2F8-SRBCの組み合わせによる実際の尿中hCG測定は各感作赤血球の1%浮遊液15μlずつをマイクロプレートウエルに採り, これに倍数希釈した標準hCGまたは, 検体30μlを加えて混合し, 室温で60分間静置して穴底に形成されるリングの有無を判定した. 正常排卵周期婦人と閉経後婦人の尿中LH濃度を本測定法とHi-gonavis(持田製薬)にて比較したが, 後者の測定法によって検出される高LH含有検体も前者の測定法ではすべて感度以下であった. また, 本測定法による産褥婦人および絨毛性疾患患者尿hCGパターンは, 抗hCG-β抗体を用いた血中hCG測定値のパターンとよい相関性を示した.
- 1990-01-01
著者
-
香山 浩二
兵庫医科大学産科婦人科教室
-
辻 芳之
兵庫医科大学産科婦人科学教室
-
礒島 晋三
兵庫医大
-
辻 芳之
神戸アドベンチスト病院
-
礒島 晋三
兵庫医科大学産科婦人科学教室
-
香山 浩二
兵庫医科大学先端医学研究所 発生生殖 部門
-
斉藤 行生
兵庫医科大学産婦人科学教室
-
礒島 晋三
兵庫医科大学 産婦人科
-
辻 芳之
兵庫医科大学産婦人科
-
中村 敬子
兵庫医科大学産婦人科学教室
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