正常プロラクチン血性無排卵症に対するBromocriptine(CB-154)の意義について
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概要
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正常プロラクチン血性無排卵症患者37例(無排卵周期症11例,第1度無月経18例および第2度無月経8例)について,月経あるいは消退性出血2日目よりCB-154,1日2.5mgを30日間投与し(排卵例では排卵後7日目まで投与),その際の排卵率ならびに各種ホルモン動態を検討した.また1部の症例について,CB-154投与前にTRHを投与し,血中プロラクチン(RRL)の変動を検索した.その結果,症例別排卵率は56.8%(21/37),周期別排卵率は78.6%(33/42)であった.なお無排卵周期症と第1度無月経例に限った場合の症例別および周期別排卵率はそれぞれ69%(20/29)および82.0%(32/39)であった.CB-154投与中の血中LH,FSHおよびestradiol値については,投与前のそれと比較して有意の減少は認められなかったが,血中PRL値はCB-154投与中に明らかな減少を示した(p<0.01).なお排卵不成功例のPRLは,成功例に比べて明らかに抑制されていた(P<0.01).次にTRHtestの結果では,排卵成功例におけるPRLの反応値の方が不成功例よりも低い傾向にあった.また第1度無月経6例について,CB-154投与前および投与中のPRLのsize heterogeneityを検討した.その結果,CB-154投与によりLittle-PRL分画の減少が認められた.とくに排卵周期に検討しえた3例のうち2例においては,CB-154投与によるPRLの減少がみられなかったにもかかわらずLittle-PRL分画の減少が認められた.以上のことから次のような結論をえた.(1)CB-154は正常プロラクチン血性無排卵症のうち軽度障害例に対し,排卵誘発効果を期待でき,しかも反覆奏功率は高い.(2)正常プロラクチン血性無排卵症に対するCB-154の排卵誘発機構にPRLの至適濃度が関与するものと思われる.(3)PRLの内分泌環境に及ぼす影響を検討する際には,PRLの量的変化のみならず質的変化にも注目する必要がある.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-10-01
著者
-
石丸 忠之
長崎大学医学部産科婦人科学教室
-
山辺 徹
長崎大学医学部産婦人科学教室
-
石丸 忠之
長崎大学医学部歯学部附属病院 遺伝カウンセリング室
-
山辺 徹
長崎大学医学部産婦人科
-
黄 宏駿
長崎大学医学部産科婦人科学教室
-
吉田 京子
長崎大
-
森崎 正幸
宝マタニティクリニック
-
今村 定臣
長崎大学医学部産婦人科学教室
-
今道 節夫
長崎大学医学部産婦人科学教室
-
森崎 正幸
長崎大学医学部産婦人科学教室
-
河野 前宣
長崎大学医学部産科婦人科学教室
-
吉田 京子
長崎大学医学部産科婦人科学教室
-
森 広康
長崎大学医学部産婦人科学教室
-
森 広康
長崎大学
-
森 廣康
長崎大
-
今道 節夫
長崎大学医学部産科婦人科学教室
-
黄 宏駿
長崎大学医学部産婦人科学教室
-
今村 定臣
長崎大学医学部産婦人科
-
山辺 徹
長崎大学医学部婦人科学教室
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