排卵時期予測と人工授精のタイミングについて

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不妊症42例の108周期について排卵周辺期の種々の所見の関連性を検討した.基礎体温の低温最終日をOdayとし,-3dayから+3dayの超音波断層法による卵胞最大径,血中EstradioI(E_2),Luteiniz ingHormone(LH),頸管粘液の量,シダ様結晶度を調べ,排卵時期の予測,人工授精のタイミングについて考察を加えた.1)超音波断層法による卵胞検出率は85周期中83周期(97.6%),163回中158回(96.9%)であった.卵胞最大径は+1dayで最高値を示し,25.20±3.06(mean±SD以下同じ)n=26であった.2)超音波診断から"排卵"を確認し得たのは12例で,その時期はOdayから+2dayに認められ,排卵前日の卵胞直径は24.OO±3.10,n=12であった.3)血中E。は-2dayから-1dayに400pg/mll以上の高値を示し,血中LHはOdayにpeakを示した.4)頸管粘液量は自然排卵のとき-2dayから+1dayにかけて100mms以上が33/37(89.19%)に認められ,クロミフェン使用例では量の低下を認めた.頸管粘液の結晶度が(?)以上を示したのは0dayに最も多く,その率は23/28(82.1%)であった.5)人工授精による妊娠5例はOdayに施行したものが3例,十1dayが1例,十2dayが1例であった.以上より排卵は基礎体温上0dayから+2dayにおこることが多く,人工授精のタイミングは-1dayから+1dayに行うのが最良であることが示唆された.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1984-04-01

排卵時期予測と人工授精のタイミングについて

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