マウス胞胚の超微形態観察 : とくに細胞間結合とランタンの細胞間侵入について

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概要胞胚腔の拡大機構を検索する一環として、胞胚構成細胞の細詰問を通しての物質流入の可能性について調べた。そのためにマウス胞胚の細胞間結合状態を透過型電子顕微鏡で観察し、さらに胞胚を培養することでexpanslonさせ、細詰問結合状態の変化についてもみた。またランタンをtracerとして、その胞胚内侵入の程度も観察した。得られた結果ぱ以下の通りてある。 1)胞胚構成細胞のうちtrophoblastにはtlght Junctlon、 gap Junctlon、 desmosomeが存在したが、tlght Junction ぱ全ての細胞間の透明帯寄りにみられたのに対し、gap Junctlon、 desmosomeの存在頻度ぱ低く、しかもそれらぱtight Junctlon より深部に位置した。 2)trophoblastとInner cell mass構成細胞間、Inner cell mass構成細胞間の結合としてぱInter-medlate Junctlon のみが観察されたものの、各細胞間にぱせいぜい2〜3個が存在するのみであつた。 3)培養によつて観察された細詰問結合状態の変化ぱ、とくにdesmosomeの存在頻度が増し、またその位置が透明帯寄りとなつたことて、他の変化についてぱ明確にてぎなかつた。 4)ランタンぱtrophoblast間にせいぜい半分までしか侵入せす、しかも全てtlght Junctlon によつてその侵入ぱ停止させられていた。これらの結果より、胞胚において細胞間を通しての物質流入ぱ、少なくともランタンの分子量(138 9)以上のものでぱ期待できないことが示唆された。さらに胞胚のexpanslonによつてdesmosomeが増加し、trophoblast間の結合が強化される可能性が推測された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-12-01

マウス胞胚の超微形態観察 : とくに細胞間結合とランタンの細胞間侵入について

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